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代表的なツールとしての『自動思考記録表』|認知行動療法4

2017.2.24

自分自身をよりよく理解していくためにも使える、認知行動療法についてご紹介しています。
1回目 出来事や状況という “刺激” に “反応” している私たち で挙げた事例を使って、2回目の頭の中のどの道を通るかで気持ちや行動まで変わってくる のを図を用いてご案内しました。3回目で 事実はなにか?をわけるのが重要なポイント をお話ししたので、今回は、具体的な作業ツールとしての『自動思考記録表』、記録の取り方をご紹介します。

pencile

記録をする目的と目標

たいていのものはそうだと思うんですが「やれって言われたから」とか「やった方がいいらしいから」では、つまらないし、続かない。「ちょっとおもしろそう」とか「それだったらやってみようかな」と思えるかどうかって、けっこう大事じゃないでしょうか?
興味を持っていただきたいので、記録をするのはなんのためか?目的と目標を明らかにして、メリットを挙げてみます。
目標や目的を持つこと、これが好みかどうかは人それぞれだと思いますが「そのためなのか」と、理由はわかってた方がいいよね?

今回ご紹介する『自動思考記録表』の目的は、私たちの頭の中で、刺激に対する反応として自動的に浮かんでくる考え=思考をキャッチすることです。
目標は、事実や現実とのギャップを作り出している、理解の仕方・受け取り方=認知の最適化です。

記録を取っていくことのメリットとして、私が感じることを挙げます。

  • 自分自身に気づけるようになる。
  • 日常生活を観察するようになる。
  • 考え直すことが可能になり、速くなる。
  • 嫌なことに出会ってしまっても自分のためになる。
  • 自分にとってはもちろん、他者にまでフェアな考え方ができるようになる。
  • 自分を苦しめなくなる。
  • 気持ちが楽になる。

具体的には、次回お話しさせていただきます。

自動思考をキャッチするための記録

いろんなタイプの記録表があります。使いやすいものを見つけたら、それを使っていってください。
ここでは 厚生労働省 が用意してくれているものを例として使います。(リンク先は、厚生労働省の心の健康のページです)
見比べてみましたが、日本認知療法学会 にある 自動思考修正表 と同じもののようです。
PDF がありました。ご自宅にプリンターがあるなら、印刷して使ってもいいですね。
リンク先の表を開いていただいて、見ながら、以下を読み進めてください。なにをどう書くのか、かんたんに説明します。

自動思考記録表の書き方のポイント

自動思考記録表は、7つに区分けされています。ひとつひとつについての、書き方のポイントは以下です。

① 状況 5W1Hのかんじで、具体的な出来事事実のみを書くようにします。
 ② 気分(%) 気分も含む、気持ちのことです。100%を最大とした、数字をつけます。知ってるつもりで意外と知らない『気持ち』とはなにか? にもたくさんの気持ちを表す言葉を挙げてあります。迷ったら、参照してみてください。
 ③ 自動思考 そのとき頭や心の中で言ったことを書きます。いくらでも書いてください。また、浮かんだイメージがあったら、それも書きます。
 ④ 根拠 ③について、裏付けるとなる客観的な事実を挙げます。
 ⑤ 反証 ④とは正反対のことをします。③とは矛盾する事実を書き出します。
⑥ 適応思考 ここでは考え方を作り出します。作りやすいのは、④と⑤を「しかし」や「そして」でつなげるやり方です。また、最高にいい状況と最悪な状況を想定してみて、実際に起こり得る現実的な状況を考え出してみるのもいいですね。
⑦ 今の気分 ⑥まで、すべて書き終えた後の気持ちや気分を書き出し、パーセンテージをつけます。

詳しくは、同じく厚生労働省のHP内に資料があります。うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料) の9ページ目からに、書き方が載っています。ご参照ください。最初から一読するだけでも、有意義な資料です。

さて、ざっと見ていただいて、書けそうですか? 大丈夫だという方は、これが本家本元なので、有効に活用されてください。
一方で「ムリ…」と思った方は、私と同じです。もっと楽に書けるものを使っていきましょう。
自動思考記録表は、書くことに意義があります。書けなければ、役にも立てようもなくなってしまう。ハードルは、楽に飛んでいきましょう。

さいごに

この自動思考記録表に取り組んでる方もいる、という事実を知ってください。自分の考えに苦しめられ、心の健康を損ない、自分と向きあっていかなければならない人たちがいます。
普通に生活ができている私たちも、いつそこまで追い込まれるか、わからない。追い込まれて苦しい思いをする前に、低いハードルを軽々と飛ぶ練習をすることで、心の体力を養っていきましょう。
次回 いつでもどこでも自動思考をキャッチしよう|認知行動療法5 では、自動思考記録表が嫌いで、めんどくさくて、書けなかった私にもできた、もっとかんたんな練習方法をご紹介します。